クマ研日記 2006年8月
8月24日(木) 参加者:徳永佳、村瀬、富田、宮川、鶴田
いつも通り朝5時に出発した一行。
8時に自然学校に到着。セバスチャンが焼いたパンを頬張る。
現地で合流した松本さんと打ち合わせをしたあと調査開始。
松本さんは自然学校のYさんとともに山へテレメに、銀次・宮川は山へ首輪探しに、ボバ・トニ・ペルは山へミズナラのシード設置に行きました。
さて、シードチームはシードトラップ設置許可を得るためまずは白川村役場へ。
昨年度のように簡単に許可が得られるかと思っていたところそうもいかず、いろいろと面倒なことが発生。
最終的に許可は得られたものの、テンションは急落。すっかりややる気をなくしてしまった。
しかしやらないわけにもいくまい。設置するための道具を借りに、しぶしぶNPO室へ。
入室すると自然学校のHさんがおもむろに一言。
「一緒に歌いませんか?」
「いいっすねぇ。」
そんなわけで、自然学校に宿泊していた中学生たちのお別れ会になぜか参加。
中学生と自然学校の人たちと一緒に『世界にひとつだけの花』を合唱した。
この不思議な展開によりテンションも上昇。シードトラップを設置しまくり、スペシウム光線をも放ちまくる。
そうこうしているうちに首輪チームの二人が合流。首輪は発見できなかったらしい。
シード設置を終え、この日の調査は終了。時刻は3時。というわけで…
いざ、日本海!
道中、ぼくは迷い属性を如何なく発揮。銀次にここぞとばかりにいじられる。
5時半ごろ海水浴場に到着。時間が時間だけに、泳いでいる人はほとんどいない。
前日に銀次から海パンを持ってくるよう言われていたにもかかわらず、持ってきていたのはぼくとトニーだけ。いそいそと海パンに着替える二人。
言いだしっぺの銀次が持ってきてないのは、ティッシュ的な海パン(クマ研日記2003/8/29参照)を持っているからか?
ペルは、海パンにリュックといういでたちのトニーに対し露骨な拒否反応を示していた。
波にもまれて遊ぶボバ・トニの様子を指をくわえて見ていた宮川は、誘惑に抗しきれずにズボンのまま海へ。
ひととおり遊んだ後、みんながぼくを埋めたいというので、まあ埋まってやることにした。
埋めるほうはなんだか楽しそうにやっているが、埋まるほうは動けないから大変だ。
おまけに口に砂が入るわ、砂の重みで息苦しいわ、自分では何も見えないからつまらないわ…
日が沈み始めたので、日本海に沈む夕日をバックに5人で記念撮影。
「追いかけないと日が沈んじゃいますよ?」という銀次の煽りを受け、ぼくとトニーは海に飛び込んで夕日を追った。
夕日には当然追いつけなかったが、このままおめおめと戻るわけにもいくまい。
そこで、海中青春アミーゴと海中ファンタスティポを踊った挙句、なんかクネクネ歩きながら見事な再上陸を果たした。
海を十分に堪能し、ラーメン屋で晩飯を食って白川への帰路に着く。途中道に迷ったのは言うまでもない。
10時くらいに自然学校に戻り、風呂で潮を流して寝袋に入った。
8月25日(金) 参加者:徳永佳、村瀬、小川、西東、富田、宮川、森戸、鶴田、松山
7時半起床。朝食を食べに食堂へ。今日もセバスチャンが焼いたパンを頬張る。
松本さんと打ち合わせをして調査開始。
松本さん・ボバは山へテレメに、銀次、トニー、宮川、ペルは山へ首輪探しに行きました。
松本さんはさすがに手馴れたもので、葉月あゆみとさっちゃんのデータをちゃっちゃと取ってしまった。
モリゾー・キッコロ・ショウグンの電波はまったく受信できなかったため、午前中でテレメは終了した。
昼飯後に首輪チームと合流。今日も首輪は見つからず。
それから銀次・トニー・宮川は温泉へ行き、残されたぼくとペルはやることがなかったので踏査へ。
森の散歩道をのんびり歩き、それでも時間が余ったので大窪沼へ。カルチャー広場の正体不明の建造物が気になって仕方がなかった。
温泉組が帰ってきて時刻も5時になったので、バーベキューの準備に取り掛かる。
分担して野菜を切ったものの、まともに切れたのはペルだけで、トニーは特にひどかった。
そうこうしているうちに、瀕死のムーブに乗ってキャプテン、ダンブル西東、森戸、ラーメンが到着。材料をカントリーハウスに運び、火を起こしはじめる。
ところが木炭が粉々で、炎は出まくるし灰は飛びまくるし…。木炭はやっぱりマレーシア産だね!
松本さんが合流し、自然学校からはYさん・Oさん・Kさんが来てくれて、バーベキュー開始。
日が暮れて辺りが暗くなると、明かりが懐中電灯ひとつしかなくなってしまった。
中央の食材だけが煌々と照らされ、みんなの顔はうっすらとしか見えず、奇妙な会合と化す。
肉は焦げまくるわ体と食材には灰が降り積もるわで、いまいちテンションが上がらない一同。
中でも肉がうまく焼けないことによるキャプテンの落胆っぷりには目を見張るものがあった。
なんとか場を盛り上げるべく、自己紹介などやってみる。
ダンブル西東氏の暴走によりなんとかテンションを持ち直し、クマ研らしいグダグダ感を取り戻すことに成功。
その後は天の川を眺めたり、「そんなんうまいわけないじゃん。」とかいう例のアレ(クマ研日記2006/3/10参照)をやったり。
そうこうしているうちに自然学校の方々が帰り、松本さんが帰り、銀次・西東・トニー・ラーメンも岐阜に帰っていった。
残されたのはボバ・キャプ・宮川・森戸・ペルと、灰を被った大量の食材。
取り残された寂しさと食い過ぎた苦しさにより、痛々しい感じのハイテンションになってしまう。
がんばって残った酒を消費し、食材はそのうち食べることにして合掌に持って帰った。
その後は露天風呂でキャプテンが「ほゎんほゎん。」と言って僕の逆鱗にふれたりもしたが、ともあれ灰を流して寝袋に入った。
8月26日(土) 参加者:徳永佳、小川、宮川、森戸、鶴田
朝5時に携帯のアラームで目覚めた。
昨夜寝袋に入ったあと、ルール無用の連想ゲームに興じていたが、いつの間にか眠ってしまったらしい。
自然学校の方々が活動を開始する前にバーベキューの後片付けをしなければならない。
カントリーハウスチームと合掌チームに分かれて後始末に取り掛かる。
みんなの献身的な働きにより片付けは1時間程度で終了。みんな我先にと寝袋にもぐりこみ、二度寝した。
朝8時に携帯のアラームで目覚めた。
セバスちゃんの焼いたパンを頬張りつつ本日の調査計画を立てる。
そうして、ボバ・宮川は山へテレメに、キャプテン・森戸・ペルは山へシードのメンテナンスに行きました。
葉月あゆみとさっちゃんをとってゾウゾウ林道から戻ってくると、仕事を終えたシードチームに出くわす。
キャプテンと森戸は川へサンショウウオを探しに行き、ペルはテレメチームに加わった。
3人でテレメを続けたが、この日も結局2頭しかとれず、テレメ終了。
午後は5人で葉月あゆみとなっちゃんの首輪探しへ。
地図をちゃんと読めるものがいないことに不安を感じつつも、昨日と同じようにトンネル東側から山へ入る。
主に宮川がアンテナを振りつつ、森の中を歩き回っていると、案の定現在地を見失ってしまった。
森戸が現在地把握のためにあちこち歩き回った結果、トンネルの上にいることが発覚。まったく違う方向へ来てしまった。山歩きは難しい…。
気を取り直して首輪が落ちていると思われる谷を目指す。
森戸の罠により、ぼくの腰掛けた丸太が折れて危うく斜面を転がり落ちそうになったり、
誰の罠でもないのに、木に腰掛けようとしたペルが後ろにひっくり返ったりと、ハラハラの連続であった。
スリリングな旅の果てに、ついに目的の谷に行き着く。
電波の強さからいって葉月あゆみの首輪はかなり近いと思われるが、この先は傾斜がきつく、ハードな道である。
しかも全員で降りていった場合、また歩いて上まで登ってこなければならない。
二手に分かれて1チームがもと来た道を戻り、車を取ってきて下で待機しておくという案も出た。
しかし、全員が首輪捜索チームを志願したので、後のことは考えずに全員で降りていくことにした。
ズルズル滑りながら恐る恐る降りていくと、電波はどんどん強くなってきた。
ふと見ると下のほうに黄色い輪が!
みんな大興奮。さっきまで恐る恐る歩いていたはずなのに一気に首輪のところまで駆け下りる。
そして一人ずつ首輪を持って記念撮影。
すっかり気をよくした僕らは、ついでになっちゃんの首輪も見つけてやろうと、さらに降り始めた。
しかし、今度はそう簡単にはいかなかった。
近くにあるらしいことは分かるのだが、谷にいると反射波により谷のどちら側の斜面にあるのかまったく分からない。
そこでキャプテンと森戸が尾根まで登っていき、アンテナをふってどちら側にあるか確かめてみた。
そうして首輪があると思われる斜面によじ登り、さらに捜索を続ける。
次第にあたりが暗くなってきた。ここまできて諦めるのも悔しいが、日が落ちてしまっては危険である。
山中で旧道を発見したので、明日その道を使ってもう一度探してみることにして、下山した。
山を下りてR156に出た頃には辺りは暗くなり始めていた。ここから自然学校まで全員で歩いていくのもアレなので、ジャン負けが車を取ってくることに。
負けたのはキャプテンと森戸。疲れをものともせず自然学校に向けて走り出した二人の背中を見送る。
ほとばしる汗がキラキラと光り、ぼくは「レビューが汗臭くなりそうだなぁ」と思った。
残った3人は、通り過ぎてゆく車の中から向けられる奇異の目にも負けず、全力でダラダラした。
そのうちに宮川とペルは寝てしまい蚊の餌食に。僕はその様子を眺めていた。ただ、眺めていたんだ…。
そうこうしているうちに、キャプテンと森戸が思ったより早く迎えに来た。
自然学校に戻り、遅めの晩飯にありつく。食堂で一緒になったKさんに天生湿原の話を聞き、早速あした行ってみることにした。
それから11時になるのを待って風呂に入り、汗を流して寝袋に入った。
8月27日(日) 参加者:徳永佳、小川、西東、宮川、森戸、鶴田、松山
7時半起床。3日間世話になった合掌の掃除を済ませ、食堂へ。
セバスちゃんが焼いたパンを頬張りながら今日の打ち合わせをし、調査開始。
ボバ・ペルは山へテレメに、キャプ・宮川・森戸は山へ首輪探しに行きました。
テレメチームはいつものルートを回り、葉月あゆみとさっちゃんを確認。モリゾー・キッコロ・ショウグンは相変わらず反応なし。
午前中でテレメを終え、首輪捜索チームと合流。首輪チームは既になっちゃんの首輪を発見していた。
発見時に立ち会えなかったことを悔しく思いつつも、二つの首輪を回収した成果に大満足。調査は午前で終わることにした。
データ整理をし、昼飯を食べ、天生湿原へ向かう。
道中、対向車に呼び止められた。
「どこ行くの?」「天生湿原に行きたいんですけど。」「あぁ、ならいいや。」「…?」
なにやらこの先には秘密があるのだろうか?
しかしその先は特に何事もなく、淡々と山道を登ってゆく。ただ気になるのは、空が厚い雲に覆われ始めた事だ。
案の定、天生峠の駐車場に付いた頃には雨がぽつぽつと降りだしていた。
でもまあ、これくらいの雨ならば大丈夫だろう。
各自雨具を用意し、湿原とブナ原生林を目指して歩き始めた。…つもりだったが、実は登り口を間違えていた。
道が崩落しているのを見て意気消沈し、引き返す事にした一行は、引き返す途中で正しい登り口を発見。
意気揚々と登りはじめると、急に雨が強くなった。それでも登ると言い張るキャプテンをなだめつつ、下山することに。
登り口のところで森戸と戯れていたらまた少し小降りになったが、どうも安定しない天気だったので、諦めて岐阜に帰ることにした。
不調のムーブを運転する森戸が心配だったが、なんとか岐阜まではもったようで、全員無事に大学到着。宮川と別れる。
さて、バーベキュー用の食材の残りを早急に消費しなければならない。残された4人に西東・ラーメンを加えた6人がボバ亭に集結した。
すごい量の焼そばと野菜炒めが出来上がり、みんなでガブガブ食ったが、なにしろ量が半端じゃない。
はじめはおいしくいただいていたが、メニューのほとんどが炒め物だったため、次第に油っこさがきつくなってくる。デブーズですら苦しそうだ。
一方、食べることに関しては戦力外と思われたペルは、スープを作って男どもの食欲増進に一役買った。
時間はかかったもののなんとか残った食材を食いきり、この上ない満腹感に包まれ、この上なくダラダラした時間を過ごした後、みんなは帰っていった。
炒め物をしすぎて油にまみれた部屋と、我がもの顔でソファーベッドに寝そべるキャプテンを残して。
四日連続の調査でさすがに疲れた。風呂で油を流して久しぶりに布団に入った。