クマ研日記 2005年5月
4月30日(土) 参加者:徳永け、降旗、近藤、村瀬、小川、西東、富田、平松、鈴木、橋本
「今日こそは晴れてほしい。」
そんな切実な願いが通じて白川の2日目は晴れとなった。あと皆の願いは一つだけ。
今日は迷いませんように。
でも今日はスペシャルゲスト、M口さんがいるから大丈夫♪
野研のみなさまとクマ研メンバーは高鳴る胸を抑えつつ、一路A倉山へ。さて、もくもくと山を登り始める。
やはり最初の30分はきつい。
「最初のきついところは一気に登らないとかえってきつい」とおっしゃるT田先生のおかげでずんずん登る。
女性陣はへばり気味…。T田先生もっとゆっくりお願いします…!
そうこうしているうちに今日からツアー参加のてんでぃーさんもだんだん無口に。
それを見てほくそ笑むNANAちゃんと私。やっとこさ第1ポイントへ到着。一行はしばしここで休憩。
昨日は道に迷って第2ポイントへは行けなかった。
もう何年も経っているからきっと道がなくなっているんだろうということになっていたのだが、ここでM口さんの証言。
「道あるよ。」
何ぃっ!?これは行くしかない!第2ポイントへの道を選択したのは銀G、トニー、新人H本くん、私の4人。
…あれ?クマ研会長のボバさんとクマ研快調なてんでぃーさんの姿が見当たらない。
どうやら年長者2人は、「第1ポイントを守る!」らしい。
へぇ〜。つまりは………A倉の山はご老体にはきつかったんだね。
そういうことなら年長者をいたわらなくては。大丈夫!私たちがボバさんたちの分までクマを目視してくるから☆
強い決意を胸に、私たち4人はさらに上を目差した。第2ポイントは視界が開けて、なかなかに爽快な場所だった。
ここならクマを見られるかも…♪野研のみなさんとともにひたすら双眼鏡orプロミナをのぞく私たち。
しばらくしたらT田先生やM口さんたちは第3ポイントの視察へ旅立った。
私たちは第2ポイントで待機ということに。M口さん、T田先生をしっかり第3ポイントまで導いてあげてね!
さて、なかなかクマを見つけるのは難しいもので、ちっとも見つからない。
おまけに晴れたせいで暑い…。
くじけそうになる私たちだったが、クマに対する情熱が銀G・H本君・私を支えた。…ん?トニーは?
寝てた。
えぇえぇ、そりゃもう悠々と。眠れる森のトニー。一体彼は何をしにここまで来たのだろう…。
そんなとき、第3ポイントからクマ目視との連絡が!しかも木の上で寝ているとのこと。
銀G・H本君・私はさっそく第3ポイントへ向かうことにした。…おっと、あやうくトニーを忘れるところだった。
私たちは富士山よりも高く、日本海溝よりも深い慈悲の心でトニーを起こしてあげた。
さて、私たちが第3ポイントへ到着すると、早速T田先生がプロミナをのぞかせてくれた。
最初は動かなかったため分からなかったが、クマが起きてご飯を食べ始めたあたりで、
プロミナに映る黒いかたまりがクマであることに気づく。このかたまりを見つけるとはさすがM口さん。
いやぁ、それにしてもごはんを食べているクマとはかわいらしいもので。
手で枝をおさえてもしゃもしゃお食事してました。クマを目視できた皆は大満足。みんな並んで各自観察を始めた。
私はというと、実はプロミナに映った場所がどこなのかよくわからなかったため、
適当にクマがいそうな場所を双眼鏡で探すことに。すると…
いたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
あれ!あれ!クマじゃね??クマやんな??2頭!2頭歩いてるよー!!
なんと偶然にも私はさっきとは別のクマを、しかも2頭発見したのだ☆☆☆
クマを見つけて大興奮の私。…と場所がわからずどこ?どこに?と必死に聞いてくるみんな。
うーん…場所を教えてあげたいんだけど…
双眼鏡で見えてる場所が、肉眼で見たときにどの変の位置なのかがわからないのー!ごめん!!
なんとか残雪のカタチとか大体の方角を伝えたが、
そうこうしているうちにクマ2頭はやぶの中に入っていって、見えなくなってしまった。
残念。みんなにも見てほしかったんだけど。でも、ま、いっか!私は見れたし♪
2頭に体格差があんまりなかったので、多分2年目の子どもを連れたお母さんクマ…だったのかな??
残雪の上をのんびり歩いて出てきて、お互いに顔を近づけたあと、2頭並んでやぶの中へ入っていったのでした。
いや〜、いいものを見た!第3ポイントを撤収する時に、T田先生が
「今日は昨日よりもいい温泉に行こうか」と私に話しかけた。
昨日よりもちょっとデラックスなところだよ、とのこと。おぉ!それは楽しみ☆
しかし、後にこのコトバがあのような悲劇を生もうとは、そのときの私に知る由はなかった…
しばらくして下山。第1ポイントのみんなと合流した。
すると、すかさずボバさん・てんでぃーさん・まとまる君が
「クマがいた!第1ポイントにもクマがいた!」と言い出した。
えー…!うちら第3ポイントまで登ったのに…第1ポイントでも見られたとは!
軽くショックを受ける第3ポイントご一行様。そんな私たちにNANAちゃんが真実を教えてくれた。
「第1ポイントでクマを見たのはA野コーチだけで、
クマがすぐに見えなくなったため、他のみんなは目視できなかったんですよ」とのこと。なーんだ。そうだったのか〜。
そりゃ「いた」わ。
くそー、第3ポイントまで行った勇者を騙すとは。このオレンジボバと赤てんでぃーめ!!
NANAちゃんは相当くやしがっていた。NANAちゃん、ぜひまた行こうね!次こそは目視だ☆
下山はとても危険だった。
…というのも、ご老体にむちうって登ってきたBバさん(本人の名誉のため名前は伏せさせていただきます)
の足元がおぼつかなかったからだ。私はBバさんの後ろを歩いていたのだが、
何かにつまづくたびによろよろと座り込む姿に笑いが…もとい、涙がとまらなかった。
Bバさんが、大きくよろけた拍子にエキゾチックなポーズでバランスを保った時には、
もう心にグッときすぎて、私は立ち上がることもできなかった。
ふもとまでの道のりで結局何度、私は腰砕けになったことだろう…。
帰り道、私は強く心に誓った。もう二度と下山の時にはBバさんの後ろを歩くまいと!
さてさて、一同いったん自然学校へ戻り、まとまる君・NANAちゃん・S木さんとお別れ。
そして着替えやタオルを持って一路温泉へ。
今日の温泉は「白川の湯」という温泉。結構きれいなところらしい。
T田先生・A野先生・Y中さん・てんでぃーさん・銀G・私はさっそく温泉へ向かった。
ボバさんたちは男子寮に寄ってから行く、ということで別行動となった。
温泉に着いてボバさんを待ったがなかなか現れず。銀Gとてんでぃーさんの着替えはレビューに乗っているのだが…。
夕食の時間もあるので、仕方なく2人を置いて私と先生たちは先に温泉に入ってしまうことにした。
「白川の湯」はなかなかにきれいで広くてきもちよかった。
洗面所に化粧水や乳液なんかも設置してあり、かなり待遇がいい。私はゆったり入って満足してお風呂から出てきた。
しばらくすると男湯からなぜか銀Gとてんでぃーさんのみ現れた。ボバさんたちは??
どうやらボバさんたちは散々迷い、やっと白川の湯に着いたが夕食まで時間がなかったので、
着替えをてんでぃーさんと銀Gに渡すだけ渡して自然学校に帰ったらしい。かわいそうなレビューメンバー…。
てんでぃーさんと銀Gはというと、おかげでのんびりお風呂に入れなかったらしく、不満気味だった。
「白川の湯」まではそれほど難しい道のりではなかったのに、レビューメンバーはなぜ迷ったのか?
それはボバさんの証言で明らかとなった。
どうやらT田先生はボバさんに「今日はデラックス温泉に行くよ」と言ったらしい…。
それでボバさんたちは「デラックス温泉」に行くんだと思い込み、
「白川の湯」を思いっきりする〜していたというのだ。あぁ…T田先生…紛らわしいことを。
おかげでレビューメンバーは自然学校の駐車場で哀愁を漂わせながらフリスビーしてたじゃないですか!
夕食を終え、今日も夜は先生たちと飲むことになった。
しかしカントリーハウスに集まったのは野研のみなさんとボバ・銀G・私のみ。みんな力尽きたらしい。
てんでぃーさん昨日の飲み会ではあんなにハッスルしてたのになぁ。
疲れを理由に欠席する若者に対し、T田先生やA野コーチは
「疲れてるからこそ、飲んで明日への鋭気をとりもどすのになぁ」と言っていた…。
いや、普通疲れたら寝ますって!現に野研のI澗さんは9時頃にはそうそうに寝ていましたよ。
てんでぃーさん不在のため大変静かな飲み会。
しっとりと飲みながら、白川2日目の夜はこうして更けていくのであった…。
5月1日(土) 参加者:徳永け、降旗、近藤、村瀬、小川、富田、橋本
さて、今日も元気だ、ご飯がうまい!
よし、決まりました。
今日はクマ観察ツアー三日目。実際にツアー参加者のお客さんたちがやってくる日だ。
正念場の一日になりそうだな〜と思いながら、まずは、朝食をとるためにクマ研はトヨタ自然学校へ向かった。
自然学校の方々や野研の人たちと一緒に楽しい朝食をした。
皆さんの朝の様子はと言うと、坪田先生と浅野先生は自然学校の方々とフランクな会話をしながら、
今日のことをわりとテンション高めに話していた。
それにひきかえ、クマ研のテンションの低いことと言ったらない。中には、寝ぼけまなこのトニーもいた。
そんな中、浅野先生に「お前ら昨日クマ見る気なかっただろ」とか「育ちが悪い」とか言われても、
めげずに今日こそクマを見てやるぞ〜いと思っている、ぼば、テンディ、キャプテンの姿が特徴的だった。
そして、ひそかに青白い闘志を燃えたぎらせている山中さん田村さんも忘れてはいけない。
それぞれのクマへの思いを胸に、「ごちそうさまでした〜!」
坪田先生と浅野先生はお客さんと山をのぼるため、
それ以外の野研の人たちとクマ研一行そしてクマ研OBの溝口さんで、先に山に登り始めた。
中村さんと井澗さん、てんでぃ、橋本君は登山二日目。それ以外はみんな三日目。まじ、「で〜れ、えれ〜」のである。
そのため、最初は一列になって入山するも、
落石(落石の場合は「ロック!!」と叫べ!!)のようにカランコロンとみんな脱落していって、
それぞれペースが同じ人同士でかたまって登って行った。
一口に登山と言ってもいろんな登り方がある。普通にずんずんと登る人もいれば、
後から来るお客さんのために枝を払いながら登り、
「山で職人やっていたみたい」と山中さんに言わせる程のエキスパートの方もいれば、
モー娘。のダンスをしながら登る、「劇団愚か者」もいる。十人十色である。
驚いたのは、新入部員の橋本君で、どんどんと山に駆け上がって行ってしまう。
その小さな体に秘められたパワーは何ですか。チャクラですか。何の実を食べたらいいんですか。
持霊は精霊クラスじゃないとだめですかね〜。せんづの半分は思いやりでできています。
まあとにかく、かつてのクマの冬眠穴と思われる場所の近くで休憩をとったしりながら、
クマを観察する場所である、「ポイント1」へ向かってそれぞれ歩いて行った。
全員が「ポイント1」に到着して、しばらく観察した後、
もっと山の奥にある「ポイント2」と「ポイント2」よりも奥にある「ポイント3」へと分かれていった。
「ポイント1」から「ポイント2」までの山道は、「道」というよりむしろ「崖」だった。
そして、「ポイント2」から「ポイント3」までは、「2まで行けば3まではすぐそこだよ」とおっしゃっていたが、
「どこがだよ」と言いたいくらい長いっちゃ長い。
このような文句を押し殺しながら、到着すると一向は観察の準備に取り掛かった。
「ポイント3」に行くはずなのに、「ポイント2」に着くと同時におにぎりを食べ始めた愚か者のキャプテンもいたが、
面倒くさいので今回は触れないでおこうっと。
観察地点の班分けは、「ポイント1」にはツアーのお客さんと一緒に観察すると言うこともあって、
お偉方の坪田先生や浅野先生、溝口さん、松本さんというメンバー。まず、間違いない。
そして、「ポイント2」は、野研の田村さん、井谷さん、中村さん、クマ研からはよぽぽ、トニー、橋本君というメンバー。
まあ、トニーは寝るだろうということが容易に想像できるはず。
「ポイント3」は、野研の山中さんとクマ研の銀次、
そして昨日クマの存在のみを確認したぼば、テンディ、キャプのメンバー。あ〜なんかすごくいやな予感がする。
ツアーに参加したお客さんと野研とクマ研一行はそれぞれのポイントで、観察を始めた。
特に昨日クマの存在の確認をした三人はとても真剣に観察をしていた。
観察を始めて30分ほどすると電話がかかってきて、「ポイント1」でクマを発見したという知らせが入った。
しかも、第一発見者はツアー参加者のお客さん。みんな、「うそ〜ん」という顔をしていた。
いやでも、お客さんがクマを見ることができて良かった良かった。
それから、2時間ほど観察をしていると天気予報通り、雨が降り出してきたので、急いで片付けて下山した。
「ポイント3」と「ポイント2」のメンバーは合流して「ポイント1」へと向かった。
結局、3日目にクマを見られたのは「ポイント1」だけだった。残念。
どんどんと山を下って「ポイント1」に到着した。
「ポイント1」にいたツアー参加者の方々と坪田先生、浅野先生、溝口さんは
もう少しだけ観察を続けていくということなので、挨拶をして下山しようとした、
その時衝撃的な事実を耳にしてしまった。
なんと「ポイント1」では、連絡があったクマのほかに2頭がその後発見され、ついさっきまで観察できていたという話だ。
その瞬間、昨日クマの存在の確認をした三人は落胆し、自らの不幸を呪った。
しかし、すぐさま三人はこのようにも思ったことであろう。「確実にこれはネタになる〜(笑)」。
かくして、すごくいやな予感は見事に的中したのであった。
そして、観察を続けていかれる皆さんに挨拶をして、一行は下山して行った。
例の三人はというと、表面上は周りが自分たちだけクマを見られなかったということで、
気にしてくれているんだなというのを感じ取り、肩を落としながらとぼとぼと歩いているという感じを見せているが、
実は心の中では、天女が暴れるように舞を舞っている状態であった。
そのため、アンガールズのように変にテンションがあがってしまい、自分では抑えるに抑えきれず、
何か気味悪くニヤニヤしながら、山を下って行ったのであった。
下山はなんか楽なのでどんどんと山を下り、やはり、クマの冬眠穴と思われる場所の近くで休憩した。
そこをじっと観察していると、何か動くものを発見したので、近くまで下りて注意して見てみると、
それは銀次グマとテンデグマ、ボバグマ、ヨポグマがいた。
・・・なんか坪田先生と浅野先生がいないから入っちゃった〜。
その後、クマ研一行と山中さんまで冬眠穴のそばに下りてきて、すごく近くで観察した。
まったく休憩にはなっていない気はするが、休憩したことにして、すぐに下山を始めた。
そこから、1,2時間歩き続けて、なんとか無事に下山することができた。
その後、野研の方とクマ研一行は自然学校へいったん集まり、
「これ買いじゃね~」「お、これ買いだわ~」というお決まりの流れをやってしまった。
「大ちゃん、僕たち私たちは大ちゃんに負けないぐらい、いっぱい買ったよ~!!」なんつって。
そして、野研の方たちと、少し楽しく会話をした後、岐阜へ向かって帰りました。
このツアーの感想は圧倒的多数の感想は「クマが見を見ることができてとても良かったな〜」と思っているが、
「クマ以上のなにか別のものが発見できて良かったな〜」
と思わずにはやっていられない人たちもいることを決して忘れてはいけない。