クマ研日記 2005年3月


3月28日(月) 参加者:徳永け、中村、西脇、袴田、細垣、村瀬、富田


銀次、大阪上陸。

生涯、最も低いモチベーションで出発したが、電車の中、気がつけば、周りは関西人。

初めての大阪ということもあり、次第にテンションが上がってくる。いよいよ太閤様の街だ・・・。

しかし目的はあくまで学会。

真面目な僕としては、先発で行っているクマ研のみんなにお勧めの講義を紹介してもらうべく、メールをした。

この辺はさすがクマ研。

半数近くの人は、僕の所在を聞いてきたり、会場まで行き方を聞いてきたり、見当違いのメールが返ってきた。

役に立たない・・・。

メールで、CQに銀次は迷子になると言われ、自分は迷い属性じゃないと、必死に主張しながら、

いよいよ大阪駅に到着し、目指すは福島駅!

ホームに着くと、今にも電車が出発直前!得意の駆け込み乗車を大阪で初披露し、無事乗車!

いざ、福島駅へ!!と、ぱっと見ると、あっという間に福島駅を通過した。しまった・・・。

必死に恥ずかしさのこもる笑みをこらえながら、何とか、福島駅に到着。ここからは、本来の自分に戻り、難無く会場へ。

さすが、生態学会。人が多い・・。

しかし、大勢の人でもクマ研の『気』さえ感じ取れば、すぐに発見することができる。そして、昼飯を共に。

大阪の水はバンの水の足元にも及ばなかった。

かなり、熱いシンポジウムを聞き終え、女性人は大学の人達と飲むらしく、

男性人は、大阪の地下鉄で切符の買い方が分からない枚方市民を頼りに難波へ。

大阪と言ったら『お好み焼き』ということで、お好み焼きを食べたが、

ほとんど、吉田さんにおごってもらった形になってしまった。申し訳ない・・。

食の大阪を堪能したので、それぞれ宿、家に帰り、明日の熱いシンポジウムに備え、体を休めた。


3月29日(火)  参加者:徳永け、中村、西脇、袴田、細垣、村瀬、富田


やっぱりクマ研なので、せっかく大阪まできてなにもせず帰るわけはなかったのです。

この日、学会にあきあきムズムズしだしたクマたちは、おひるから学会逃亡…じゃなくて海のお勉強にゆことにしました。

ゆく先は海遊館。ふだん山の民であるクマたちにとって、海はかぎりなく未知の遠いせかいなのでした。

だから世界をまたにかけるクマにとって、

海のお勉強、そして海の巨大生物と戦い、山と海との決着をつけることは学会でダラダラネムネムより死活問題なのでした。

(というか、近場で楽しそうなトコがそこしかなかった)

とりあえずはらへりでは戦はできないのでなんか食べてゆくことに。そこでラーメンをたべにゆきました。

なんとトマトラーメン!(しかも前日はトマトカレー)

「あやしすぎる!食べるしかない!!」と私たちはドドドッと時速50キロで駆け込みます。

と、びっくり、壁一面に色紙ばんざい。美川憲一とかもきたらしい。

「も、もしかして結構有名店なのクマ!?」

日頃はずればっかひいているクマたち、興奮のあまりつきのわをブーメランにしてなげる。

そんな私たちの迷惑な行為にもお店のご主人はだまってラーメンをもってきてくれた。

でた!トマトラーメン…!!!これがあのまぼろしの…!!!と感動する間もなく、みなさんがっつく。

トマトのさわやかな味とコクのあるスープが絶妙にからみあって、口の中ですてきなハーモニーをかなでる。

日頃けんか類ばかり食べてるクマたちにとって、こんなごちそうはめったにないのでした。

「こうなれば畑つきクマの気持ちもわかるクマ〜」とほんのちょっとシビアになりつつ、完食。

さて、クマ力100%になったクマたちは、ダラダラと、そしてトボトボと海の方へむかうことにしました。

てくてくてく…ガタンゴトンガタンゴトン…ぷしゅー!…クマクマクマ…ぶぉーん…ププー!キキー!ドンッ!!血っ!

はい、着きました。

なんと空は晴れ渡りいいお天気、だったっけな。そしてあおい空に海の巨大生物の館はそびえたっています。

周りは子連れ家族がいっぱい。なので、とりあえず目立たないようにコソコソと入館…。

そしてその後は壮絶な戦いが待っていました。

まず回復ポイントであるはずのカワウソ(だったっけな?)がおらず、クマ研の戦気ががくんと下がりました。

とくにY田さんは「これを見に来たのに〜」とMPが15落ちる。

これはクマたちにとってはその後の戦いにおおきく影響してしまうことになるのでした。

しかもその後、やっことほそ組がはぐれてしまい、クマパーティーは戦力が5分の1に。

さて、ちなみに執筆者はほそがきなので、私&やっこパーティーのことしかわかりません。だからそのことをかきます。

私とやっこはペンギンとアシカとラッコにかなりダメージをくらって、なかなか水槽のそばを離れることができませんでした。

とくにラッコが目の前でくしゃくしゃと顔を洗うようす、

ひなペンギンのアフロボンバーはかわいすぎてこころに75のダメージをうけてしまいました。

このままではラスボスまでもたない…というところに中ボス、マンボーがあらわれました。

…なにかを見てるようでなにも見てないようなうつろな目、息をしてるのかどうかわからないあきっぱなしの口、

そしてひたすら狭い水槽の中をくるくる回るようすは、宇宙の真理をも存じてらっしゃるようで…

あまりの気高さに、私はすっかり即死でした。

「できることならマンボーになりたい!」

と遺言をのこしてこの世からおさらばしようとすると、さすがやっこパワー、すぐさま私を生き返らせてくれました。

「ホソ!!いくよ…!みんなだいぶ先にいっちゃってるから」と、私のうでをぐいぐいとひっぱって、次の水槽へ…。

(ありがとうやっこ。そんなことはすっかり忘れてた〜。)

そして仲間たちの安否をきづかいながら、私たちはつぎつぎ襲いかかってくる魚たちにツキノワを投げ続けました。

そして…あらわれました…!この館のぬし、ジンベイザメでした。

そのあまりの大きさに、あまりの得体のしれなさに私たちは携帯カメラでたちむかいます。

「あかん…!遠すぎてだめやわ。そやのに画面に入りきらないあの大きさ…。えぇい!こっちへこやぁ〜!」

と関西弁*名古屋弁でまくしたててツキノワを投げるものの…キンッ!水槽のガラスにはねかえされてしまいました。

「ふ〜ふ〜ふ〜愚かなニンゲンどもめぇ〜…!」「いや、クマです」

「あ、そう。なら友達になりましょう。」「え?ほんとですか??うれしい☆ぜひ。」

ということですっかりジンベイさんとお友達に。こうして海と山の戦いは幕を閉じたのでした。めでたしめでたし。

ところで先行パーティーは出口をでたところですっかりご臨終でした。

こんなときもやっこパワーはすごいのです。「遅くなってごめんね、おみやげかいにゆこ〜!」

するとぷわぷわぷわっとみんな生き返りました。

さぁここからが本番です。でも、みんながなに買ったか忘れちゃいました。

とりあえずガラポンをやるためにみんなひたすら買っていました。そしてその後どうしたっけ…忘れちゃった!

あ、そうそう、抽選でビクトル*ユゴー展が当たったのね。でも結局いけなかったけれど。

そしてその後、クマ研はさらなる深みにはまってくことになります。(つづく)


おみやげを買いあさり、そのあとつい、どんぐり共和国を見つけてしまったクマたちは、

やっぱり入らないわけはありません(クマ研とジブ研はかみひとえなのです。)

そしてなにも買わずでてこれるわけもなく、やっぱりムダ(?)使いをして、ほくほく、にもついっぱいでようやく水族館をでました。

と、広場にあやしげな人だかりをみつけました。

ちかづいてみると黒いシルクハットにオーバーオールに三月だというのに半袖で

しかもソフトマッチョで日に焼けて白い歯がキラッ、そして汗かき。

みたいな、やっぱりあやしげなひとが何かわめきちらしています。

「大道芸だっ!!」と、くまたちが興奮しないわけもなく、再前列に座ります。

そしてくりひろげられる華麗な技・技・技…忘れたけど、なんかすっごいおもしろかった!どんな技だったか忘れたけれど…。

とりあえず気がついたらボバさんが大道芸人にいいようにされていました。

ぼうしをかぶせられたり月の輪に似た物体をなげつけられたり…しまいには折り畳まれてイスにしたてあげられたり…、

普段は村のひとびとに「野ボ〜バ〜」とか「魔王」とか呼ばれ、おそれられているボバさんですが、

このときはすっかり汗かきのひとのいいなりになっていたのです。

おもしろかった!かなりおもしろかった!さすが野ボバさん!かなり笑いころげました。大満足のクマたち。

そして芸が終わって、白い歯の汗かきの大道芸のひとは言いました。

「いままでずっと無料で講演させていただいて、今日が最終日です。

  もし楽しんでいただけたなら、みなさまのお気持ちだけでいいので、このぼうしによろしくお願いします…!!!」

さっきまで白い歯キラリのぴかぴか笑顔だったのに急にリアルに現実的な話になって、

その表情からはさよさよと悲壮感がただよっていました…

そして美しい90°のおじぎ…思わず、

『きっとこのひとの家は大都会のすみっこの窓もないようなトタンでできた小屋に住んでいて、

 家には寝たきりの病気がちなおかぁさんがいて、

  「シンジや、もうかぁさんのことは心配しなくていいから好きなとこへ行ってしまいなさい…ごほんごほん…。」

  「なにを言うんだ…!ぼくはいつまでもかぁさんと一緒だよ…!今日もしっかり大道芸で稼いでくるからね…!

   ちゃんと薬、飲むのだよ。では行ってくるからね。」…ガチャ。

  「うぅ…ごほんごほん、シンジがいてくれるのはいいんだけれどねぇ…ただシンジがいるとごはんが減るわ…」』

なんて会話が繰り広げられてるのでは…なんて思って、ヨヨヨと涙ものでした。

そしてクマたちはなけなしの気持ちをぼうしに入れました。

500えんいれたひと、アメをいれたひと、へんなものをいれたひと、ブナの実をいれたひともいたかもしれません。

そして大満足で、帰ることになりました(あ、ちなみに大道芸のひとはオクチさんというらしい。)

そしてそのあとぶらぶら…と歩いて、すると「た、たこやきが食べたいっ!!大阪だもの!!!」となって、

駅近くのたこやき屋さんでたこやきを食べて…(けっこうおいしかった)その後、大阪駅までゆきました。

もちろんエネルギーがありあまる私…くたくたのみんな…えっもう解散!? ね、どっかゆこーよぅ!!!!と、せがむ私。

すると体力がふつうのクマのZ倍の銀次と、魔力がみちみちてボバ剥ぎをしたがっているボバさんと

魔力も体力もないけどいつでもマイペース、お手軽トニーという、変なメンバーも賛成。

N村くんはなんだかくたくたに疲れていました。しかも枚方まで帰らなきゃなので「じゃっ!」と行ってしまいました。

やっこも疲れてたので「じゃっ」と帰ってしまいました。(もしや私がやっこパワーを吸収してしまった…?)

吉田さんもにこにこしながら「じゃっ」と帰ってしまいました。

そしてこのあと、大阪の夜、第3部がくりひろげられます。


「あ〜おしい!なんでだよ〜!」さっきから私の隣でくやしがるギンジ。

「あ〜ぁ、そこまでやったら取るしかないわぁ…」あおる私とボバさんとトニ。

「う〜、くそ〜…」と涙をのみながらふたたびサイフから100えん出すギンジ…

さっきからこの繰り返しです。私たちは大阪駅でみんなと別れたあと、夜の大阪、といえば道頓堀?にくりだし、

せっかくなのでめづらしいことをしよう、と、プリクラを撮ることになってゲームセンターに入ったところ、

きがついたらやっぱりユーホーキャッチャーのとりこになってしまっていたのでした。

そしてまず、ボバさんが魔力を使ってあっという間にパンダのぬいぐるみをとりました。

このパンダがすごい。なにがすごいって、「鳴き声が機械っぽくて、首が動くときバキバキと痛々しい音をたてる(ボバ談)」のです。

…なんてホラーなパンダ!!

で、つぎに「オレもオレも」モードになっちゃったギンジ。ターゲットは…うごいてほえる感じのぷーさん!あまりに魅力的!白濱K先輩もよろこびそう!

でも体力はあるけど繊細さには欠けるギンジなので(ネジをなくすことで実証済み)、

ぷーさんはさっきからユーホーキャッチャーのうでにつかまれてはズリっとすべり落ち、つかまれてはズリっとすべり落ち…の繰り返しです。

ゴールはあと少しなのに…!!でももう500えんはつかっているのでどんどん引きさがれなくなってきています…。

しかもさすが商売人の街、私たちがしっぱいするとお店のひとがすかさずやってきて、ぷーさんを(一見?)取りやすそうなところにおいてくれるのです…、

するとまた引きさがれなくなるギンジ…ずり落ちるぷーさん…重くなるギンジのこころ、軽くなるサイフ…繰り返し繰り返し…きがつけば1000えん越え。

はい、もうボーダーラインはこえてしまいました。絶対ひきさがれません。

あおる私とボバさんとトニ、またまた繰り返し繰り返し…そしてそしてついに…「やったー!!!」一同歓声をあげました。

けれどもきがつけば1500えん…ぷーさんと軽くなったサイフを両手にこころもち後悔しているギンジ…そしてこころもちうれしそうな私とボバさんとトニ。

だってここぞとばかりに「へたくそ〜!」とか「どんくさ〜!」とか「バカタレ〜!」とか叫んで、日頃のうっぷんをこっそり晴らしてたのです。

あははは、たのしかったぁ☆

あと、いつのまにかトニもなんかをこっそりユーホーキャッチャでとってました。さすがマイペーストニ。

後でなにとったの?って聞くと、ハリセントリオってやつをとったらしい…。それってどんなの?って聞いたら、「なんでやねん」って言うやつ…って…。

ふぅん…と、私はなんとなくそれ以上は聞かないことにしました。

とりあえず三人とも、よくわからないムダ使いした、ということです。しかもボバさんのパンダにいたっては、捨てると祟られそうです。

そしてそのあと私たちはプリクラのことなんかすっかり忘れてお店をでました。

それよりもグリコです!道頓堀といえばグリコ、そしてくいだおれ。それをクリアしないと大阪の夜は終われません。

なので、グリコに会いにゆきました。歩くこと2分…だらだらだら。グリコ発見。「あ、グリコだぁ…」とくに感動もせずとりあえず記念撮影。

これでちょっと大阪にきたっぽい。さらに歩くこと3分…ぐだぐだぐだ。くいだおれ人形発見。「あ、くいだおれだぁ…」とりあえず記念撮影。

「???…誰かに似てるなぁ…」くいだおれ人形とならぶボバさん。あ、ボバさんちょっと似てるよ。いや、中村くんかな…いや西東くんかも。

とりあえず…メガネだ(くまけんはメガネマンが多い。ちなみに自慢だけれど、私は両目1.5。※目がよいひとに悪いひとはいない)

そうして私たちは気がついたらお店にはいって注文してました。頼んだものは…なんだっけ??変なアイスクリーム。なんだか変なアイスクリーム。

とりあえず「こんなもんつくってみたでー。ええやろ〜あほやろ〜。」と言ってる大阪人が想像できてしまうようなアイスクリーム。

たぶんくいだおれ人形に似せてるのだろうけれど、アイスクリームをさかさにさしてるので、コーンの中がスカスカなことの方が気になる。

やっぱりコーンにはアイスが入ってないと、なんかがっかりする。さすがセコい大阪人だなぁと思い、けどまぁアホっぽいのでちょっとうれしい。

そしてぱくぱくっと食べてしまってお店をでました。トニはなんだかもっと大阪っぽさを感じたかったみたい。

たぶんトニは大阪はくいだおれ人形みたいなひとがうようよいて、そこら中で漫才してるって思ってるみたいでした。

トニ、大阪はそんな一夜いたくらいでわかるくらい浅くないよ。関西、とくに大阪について言えば、「笑い」がすべてを支配する世界。

その世界では勉強ができてもスポーツができてもカオがよくってもやぶこぎができてもだめ。

「いかに笑いがとれるか」、これが人間の価値の基準になってるような気がします。

だからみんないかに持ちネタを増やすか、いかに他人よりおもしろいことを言うか、にすべてを費やすのです。

ひどいひとになればネタのような人生を歩みます。これがいわゆる「ネタ人生」というやつです。(私の友達でもネタ人生を歩んでるひとは多数います。

全身みどり色になったひとや、CKしまくってるひとなど…)

また、笑いがとれないひとは排除されていく傾向にあるので、ある意味シビアな世界だと思います。

…と、そういう話をしだすと長くなっちゃうので、とにかく大阪は奥の深い世界なのです。

そいで、とりあえず長かった大阪の夜もそろそろ終わろうとしていました。

そうして店を出て、それぞれのねぐらにもどってゆきました。めでたしめでたし。

ちなみに最後までアホだったのは、「オレは歩きたい気分なんだ!」とよくわからないことを言い張って、ほんとに歩いてかえったギンジでした。

これがいわゆる「体力ばか」というやつです。

ちなみに私は大阪駅のコインロッカーに荷物を忘れてしまったことに気づいて、二往復するはめになったけれど…

(これはいわゆるアクシデントというやつだからしょうがない。)

完。


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