クマ研日記 2003年9月



9月22日(月)  参加者:S濱、I津、T永け、N脇、Y村


岩手で明ける二度目の朝。朝の岩手はやっぱり寒かった。

いつもの温泉へ行き、一路岩手大へ。

個人的に聞きたかったサルの発表を聞き、ポスター発表開場へ。

クマ研メンバーはポスター発表より先に企業の展示会場へ行き、

テレメ機材や赤外線カメラに心奪われる。

ついでに私はポスター発表の会場で、偶然にも知り合いのサル調査関係者に再会し感動。

先を急ぐ今津センパイに呼ばれしぶしぶその場を後にするが、白濱センパイ不在のため休憩室へ。

そこでゆりちゃんの知り合いの北大ヒグマ研の方に出会い、

ヒグマとツキノワグマの違いを見せつけられる。

ヒグマはグルメだった…。

白濱センパイ合流後、一路本日のメインイベント「わんこそば」の会場へ。

初めにチェックしてたそば屋のみすぼらしさに唖然とし、満場一致で会場を変更。

その後盛岡市街にある伝統ありそうなそば屋に入り、全員一番安いコースを注文。

そして、戦いの火蓋が切って落とされた。

序盤では男性陣が好調にスタートし、その中でもけいぞうさんがトップをひた走った。

しかしその後男性陣のペースはどんどん落ち、なんと今津さんはさっさとリタイア。

続いて二人もリタイア。

私もそばの杯数よりも、いかに味を変えて食べるかに必死になり、

ペースは落ち続け、リタイア。

が、しかし、1人だけペースが上がっている人がいた。

わんぱくゆりちゃんである。

「くやしい。」とよく分からないことをつぶやき、食べ続け、

しまいにはトップであったけいぞうさんの記録を抜いて、86杯を完食。

他の4人は彼女がいい顔をするのを見逃さず、カメラのある人はシャッターを押し続けた。

この日の勝者、そして主役はゆりちゃんであると誰もが思ったのであった。

その後横浜に用事がある勝者ゆりちゃんを

(新幹線の揺れに耐えられるかどうか心配しつつも)盛岡駅に送り、

白濱センパイを大学に降ろし、残りの3人で三陸海岸へ。

そして着いたは浄土が浜。海のきれいさに感動し、気持ちも高揚する。

軽く無茶もしてみたが、比較的のんびりと太平洋を眺めた。

その後もう一つの名所を目指してみるも断念。

だが、まだ帰りたくないオーラがでてる今津センパイの希望により、

高山植物の生えるとこまで寄り道して帰ろう案がでる。

しかしその道中、クマ研顧問の坪田先生のステキなお食事の誘いがあり、

まっすぐ盛岡を目指すことに。

(ついでに今津センパイのテンションはこのとき最高潮だったように思える。)

盛岡に到着し、坪田先生や白濱センパイ、吉田センパイ等と合流し居酒屋へ。

ここでの被害者は(いつも通り)K白濱センパイであり、

センパイが居酒屋を出るときに坪田先生に「キミのことがよく分かったよ。」

と肩をたたかれていたのを私は見逃さなかった。

唯一お酒を飲んでいない未成年者の私は車を取りに酔っ払いAと岩手大へ。

その後酔っ払いBと酔っ払いCを迎えに行き、

酔っ払いAのナビに道に迷いながらもキャビンに無事到着。

寒いのでさっさと寝た。


9月20日(土)  参加者:S濱、I津、T永け、N脇、Y村


宿泊地に着いた4人は、2時からしかチェックインできないことが分かってがっかり。

とりあえず近くの温泉で朝風呂を浴びた。

風呂あがりのいちご牛乳がたまらない。

それからN脇さんとY村さんを待つ間、I津先輩と僕は爆睡した。

学会が始まるにはまだ早いがとりあえず岩手大学の場所を把握しておこう、

ということで岩大に向かうことになった。

岩大探しは3人にまかせて、僕はトッポの後部座席で寝ることにする。

目覚めるとなぜか小岩井農場にいた。特に疑問を感じることもなく、牛乳工場を見学する。

タダで飲み放題の牛乳をガブガブ飲んだ。

土産屋で魅力的なヒツジの帽子を発見。


ティッシュによさそうだと思ったが、高かったのであきらめた。

工場を後にしてまきば園へ。疲労しすぎてかえってテンションが最高潮に達した僕ら。

奇妙な遊具ではしゃいでみたり、ヒツジをわりと本気で追い回してみたりとやりたい放題。

Y村さんは軽快なステップでヒツジを翻弄した。

昼近くになってさすがに腹が減ってきた。朝から牛乳以外口にしていないのだ。

ここぞとばかりに取り出したるはもみじまんじゅう。

I津先輩、CK、てんで、僕の4人で長崎に行ったときに買ってきたお土産だ。

岐阜に住む僕らが岩手で長崎土産の広島名産品を食べる。

まあそれはいいとしても、なぜ僕らは牛の乳搾り会場で食べているのだろう。

腑に落ちない。

パンフレットを眺めていると、ここには牛乳ラーメンなるものがあるらしいということが分かった。

これは食べるしかない。

I津先輩と僕が牛乳ラーメンに挑戦。まずくはないがたいしておいしくもない、

という一番寂しい結果に。

気を取り直してシープドッグショーを見ていると、どこかの子供が突如暴走。

イヌに追い立てられているヒツジに向かってまっしぐら。

N脇さんに煽られたI津先輩はその子を猛追し捕獲に成功。

子供を抱きかかえて猛ダッシュで戻ってくるI津先輩は、観衆にその子の父親だと思われたであろう。

2時近くになって小岩井農場を後にした。

宿泊するキャビンに荷物をおろし、いざ学会へ。

N脇さんは寝たいからといってキャビンに残った。

まったく何のために岩手まで来たのやら。

岩大でS濱先輩と合流。OBのY田(F園)さんも来ていた。

学会に出席。

しかし演者が英語で話すものだからチンプンカンプンで、容赦なく睡魔が襲ってくる。

結局爆睡。N脇さんの選択は正しかったことが判明した。

コンビニで晩めしと酒を買ってキャビンに帰り、5人で食べかつ飲んだ。

そしてようやく安らかな寝床を手に入れた。

が、岩手の夜は想像以上に寒かった…。


9月19日(金)  参加者:I津、T永け、N脇、Y村


朝8時。岩手大学で開催される哺乳類学会に出席すべく、4人の若者が旅立った。

僕の愛車、ミニカトッポに乗って。

高速にのる金など無いので、下道で盛岡を目指す。無理は承知だ。

白川村でいきなりトラブル発生。前日の無理が祟ったのか、トッポのエンジンがかからなくなった。

仕方なく100メートルほど先のガソリンスタンドまで押していく。

トッポで行くのは無理か、という思いが皆の頭をかすめた。

GSのおじさんの無償奉仕によりエンジンはなんとかかかった。

「修理屋へ行った方がいいよ。」というおじさんの忠告を無視し、

一行は北上を再会した。

その後も幾度となくエンジンがこと切れる事態に見舞われたが、

左足でブレーキを踏み、

右足でアイドリングを調節するという新たなドライビングテクニックで切り抜けた。

ココイチでお昼を済ませたあと、Y村さんに運転の順番が回って来た。

先日免許を取得したばかりのY村さんの運転に、僕たちは戦慄した。

自分で運転した方が楽だと思った。

日本海に出た。海を見るとテンションがあがってしまうのは内陸に暮らすものの悲しい性だ。

I津先輩ははしゃぎすぎて靴を濡らした。

富山を抜けて新潟に入ったあたりから皆に疲労の色が見え始める。

その中で新潟出身のN脇さんだけは生き生きしていた。

トッポは男には狭い。寝ようにも足のやり場に困る。

上半身と下半身が分離できたならどんなにいいだろう。

新潟市でN脇さんのお父さんに寿司をごちそうになった。

高級そうな寿司屋の雰囲気に圧倒された僕は、

注文するとき声が上ずっていい声を出し、皆の賞賛を浴びた。

東北の道は待遇がよく、サクサク進んだ。山形を抜けて秋田に入ると、

夜の日本海を堪能しようと僕らは車を止めた。

新潟ではしゃぎすぎて爆睡中のN脇さんを車に残し、

海岸に続くと思われる気味の悪い道を歩く。

I津先輩と僕はY村さんをおどかすことでなんとか平静を保った。

Y村さんは恐れおののき、その後の運転が荒くなった。失敗した…。

日本海に別れを告げ、いよいよ内陸へ。

道沿いにある意味不明のフェンスに心奪われながらも、順調に盛岡に近づいてゆく。

翌20日午前6時、盛岡に到着。所要時間22時間、走行距離930キロだった…。


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